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20XX年日本(仮)プロローグ

プロローグ

カタカタ・・・カタカタ・・・
壁や柱に所々ヒビが入り、淀んだ空気、薄暗い照明のフロアに
キーボードを叩く音だけが響き渡る

カタカタ・・・カタカタ・・・

ヨレヨレのスーツを着た男達はただ黙々と作業を続けていた
その顔には、生気のかけらすらも感じ取ることはできない
全員、ただ黙々と作業を続けているのみ

やがて時計の針が昼の12時を指し、フロアにチャイムが鳴り響く
数十年前は仕事の合間の至福のひと時、昼食の時間であったのだが
今ではフロアの外に出る事も許されず、入り口に置いてあるロールパン1個と牛乳1瓶をそれぞれが取り
空腹をわずかばかり紛らわせることしかできないでいた

時は20XX年、日本
1世紀以上昔、戦争を生き延び焼け野原を再建し
多角的に物事を捉え、常に先を先を見据え、高度な情報化社会を築き上げた先進国「日本」の姿は無く
目先の「ニーズ」だけに忠実に応え、発展もなく、過去の技術力を維持することしかできなくなっていた

2008年、地球温暖化現象が阻止臨界点を突破
世界的な人類の危機に対し、臨界点を突破した数年後「プロジェクト・ノア」が計画され
平野部の水没を予期し、高原地域に首都を置き、外気と遮断されたドームを作り移住する事で危機を逃れた
しかし、ノアの方舟たるドームへの移住を許可された者は
女性や子供、老人、高官達が対象となり、一般の成人男性は筆記試験と面接が必須とされた

試験に落第した男性達はドームに移住することを許されず
ある者は代々の家と土地を孤独に守り、都市と共に海へと引きずりこまれ
またある者は気温の上昇によって発生した伝染病にかかり、誰に弔われることなく朽ち果てた
それでもまだ気力の残っている者は団結し、ドーム付近でデモを行い抗議したが、政府の武力により鎮圧されてしまった

一方、試験に合格し、晴れてドームへの移住を許可された男性も平穏な生活を送ることはできなかった
ドームに移住する際に行われた筆記試験と面接は、学力を問うものではなく
男女差別に関する意識や暴力を振るうおそれの有無を確認するためのアンケート式の試験と面接であったため
少しでも女性差別的であったり、暴力的であると判断された男性を排除したことにより
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、通称DV法が加速度的に適用範囲が拡大され
違反した者への刑罰も、改正を重ねるたびに重く、厳しいものになっていった

範囲が拡大され、厳罰化されていくDV法に恐怖した男性達は、ますます非婚の道へと進化していったが
人口が激減した日本ではそれが許されず、ついに男性が非婚を主張することさえもDV法に適用してしまったのである

かくして20XX年
主張をすることが一切許されなくなった男性達は、自ら考え行動するという人間らしい文化的な生活を送ることもできず
ただ淡々と、黙々と、日々の生活を自分の一生を女性のために捧げることを余儀なくされていた
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Comments

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小説風というところが新しいですね

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